井上尚弥がアラン・ピカソに大差判定勝利(海外ボクシングファンの反応)

ボクシンググローブ

ボクシングの世界スーパーバンタム級の4団体統一王者・井上尚弥が、12月27日にサウジアラビア・リヤドで行われたWBC同級2位のアラン・ピカソ(メキシコ)とのタイトルマッチに、3-0の判定勝ちを収め、王座防衛に成功しました。
(※ Boxing Sceneの記事から引用翻訳、実績あるライターさんによる戦評ですが公式採点との相違も含まれます。)

サウジアラビア・リヤドで行われた試合は、井上尚弥にとってはいつも通りの内容だった。闘志を見せたメキシコ人のアラン・ピカソを判定で完勝した。

世界最高のスーパーバンタム級王者は、3者全員のジャッジで119-109、120-108、117-111と大差をつけて勝利。117-111というスコアは正直ピカソにとって甘い判定と言える、12ラウンドを通して井上が完全に支配していたため、ピカソが取ったと言えるラウンドを見つけるのは難しかったからだ。

第1ラウンドは静かな立ち上がりで、直前に行われた中谷潤人とセバスチャン・ヘルナンデスの試合の激しさと比べると、様子見の展開だった。

しかし第2ラウンド開始から1分、井上は“井上らしい”動きを見せ、鋭いカウンターの右をヒットさせ、これが一瞬でメキシコ人のリスペクトを引き出したように見えた。
ピカソは井上のボディを狙い、井上は上下に散らすコンビネーションで相手を攻め立てた。 ピカソは左フックを当てて反撃したが、その瞬間に井上からストレートを2発叩き込まれる隙を与えてしまった。

第3ラウンドに入る前、ピカソのコーナーは
「正面に立つな」
と警告を飛ばした。
それでもピカソは気後れしていなかった。

第3ラウンドは、井上の正確さが際立ち、両者ともジャブの主導権を握ろうとした展開。 井上は左フックを2発もらうと、すぐに連続した右を返し、完全に試合を支配していた。ピカソは両手を高く上げてグローブでパンチを受け、肘を締めてボディを守っていたが、第4ラウンドには、輝かしい井上がギアを上げていく兆しがはっきりと見え始めていた。

ピカソの左フックが井上の脇腹に入ったが、挑戦者の手数は落ち始め、序盤の勢いは完全に抑え込まれていた。

5ラウンドには両者の差がさらに広がる。井上は手数を増やし、ピカソに空振りをさせる場面が目立った。 井上が右を2発当ててボディを攻めたあと、わざとガードを下げてピカソを誘ったが、当然ながらメキシコ人は次第に踏み込めなくなっていった。

6ラウンド、リラックスした井上が一気にエンジンをかけ、ロープ際にピカソを追い込み、両手で打ち込む。ラウンドが進むにつれ、時折ガードの隙間も射抜いた。5発打てば2発は当たる、といった具合で、初回と変わらない切れ味を見せていた。

“モンスター”に多くの選手が苦しむのがちょうどこの中盤ラウンドだが、ラウンド終盤、ピカソは左のボディを明確に効かされていた。

ピカソ陣営は「井上のフットワークを読め。プレッシャーを強めて左フックを出せ」と指示する。 だが井上のハンドスピードは明らかに一段上で、ピカソは追いつけない。ラウンド内容は似たような展開が続く。力を出し切らずに戦う井上は、速く、強く、正確で、支配的だった。ピカソも簡単には下がらなかったが、井上の流れを断ち切ることはできない。8ラウンドには肋骨をえぐる左も耐え切った。

9ラウンド、井上は狙いをボディに切り替え、それが効いてピカソの動きは粗くなっていく。

11ラウンド前、ピカソは「次の6分間が人生で最も重要だ」と告げられたが、勝負はすでにその前の30分で決まっていた。

相変わらず引き締まり爆発力のある井上はペースを落とさない。全開にする必要もなく、しかしアクセルは踏み続けた。

メキシコ人は最後まで挑み続けた。最終ラウンドには左フックを何発か当てたが、その代償として強烈な左ボディを浴び、それでも立ち続け、ゴングと同時に真っ向からのストレートで意地を見せた。

スポーツ界屈指の名手による完成度の高い内容だった。井上はこれで32勝無敗(27KO)。ムロジョン・アフマダリエフ、ラモン・カルデナス、キム・イェジュン戦に続く、2025年4勝目となった。

▼DAZN Boxing公式ハイライト映像



この試合について、純粋にボクシング好きな外国人と思われるコメントをまとめました。(引用翻訳元 facebook 、 youtube、 X、boxingscene、boxingnews24

以下、海外の反応


楽勝のシャットアウトだね。120-108。 ピカソはなんで最後に腕上げて勝利のアピールをしていたんだ?
That was an easy shutout. 120-108. Don't know why Picasso was raising his arms at the end?



楽しい試合だった。井上尚弥のスキルを堪能できるのはいつ見てもいい。ただ、さすがに眠くなってきた。こっちはもうすぐ朝6時だし(笑)
Fun fight. Always nice to see Inoue’s skills on display. But damn my eyes are getting heavy, about to be 6AM here haha



尚弥のすごさは、相手から手の届くポケットに居座って打ち合いながら、相手のカウンターを予測して、さらにそのカウンターにカウンターを合わせるところ。
Naoya Inoue's ability to stay in the pocket, trade, anticipate a counter, then counter the counter is really avant garde.



井上の動きは全ラウンド同じ。 速くて滑らかにパンチを繰り出し駆け引きも巧みだ。まったく疲れてるように見えないし スタミナもトップレベル。モンスターの異名は誇張なしで本物だ。
Inoue’s movement is the same in every round.. fast, slick, throwing punches, and cunning and he doesn’t look tired at all. His stamina is top-tier. no cap true monster



今年井上は4試合もやったけど、そんなチャンピオンがどれだけいるのかって話。ピカソの体は明日は相当痛いだろうな。
Fought four times this year how many champions do that, picasso body will be very sore tomorrow.



他の世界王者が年1試合しかやらない中で、1年に4試合。これだけでも素晴らしい。
4 fights in 1 year while others fighter fight once a year.



フィリピン人の私でも、井上はアジアのGOAT(史上最高)、いや世界全体のGOATだと思っている。
Im a Filipino but Inoue is the GOAT OF ASIA AND IN THE WHOLE WORLD



日本版メイウェザー。
The japanese mayweather



ピカソはスパーリング代わりに使われた。幼稚園に連れていかれたようなもんだ。しかもモンスターは半分のギアで戦っていたのに。
Lo usaron de Sparring. Lo llevaron a Kinder garden. eso que el monsttruo se vio como a media maquina



井上尚弥は詩のように流れるボクシングをする。
Naoya Inoue performing poetry in motion



期待したほどではない試合だった。井上尚弥の楽勝の3-0判定勝ち。
Meh fight. Inoue easy UD win.



試合前後で井上について「消耗している」「スピードが落ちている」「不安だ」みたいなネガティブな話が出てるけど、あれは何なんだ?? 普通に井上はやるべきことをやって、ピカソを余裕でさばいただけだよね。
What's all the negative talk about Inoue pre and post fight, that he's wearing out, slowing down, concern??? I Mean Inoue did his job and handled Picasso handily.



この試合前に、井上は「力任せではなく、美しいボクシングでピカソをKOしたい」と語っていた。 でも試合後には、自分の出来は良くなかったとも言っている。 ピカソも評価されるべきだ。 堅実で良いファイターだし、ディフェンスもタイミングも良かった。
This bout, Inoue said he wanted to KO Picasso with beautiful boxing, not brute force. But afterwards, said his performance was poor... Give Picasso some credit. He's a good, solid fighter. Good defense and timing.



井上は何一つ謝る必要なんてない。
ヘイニーやスティーブンソンみたいに、汚いボクシング、クリンチ多用、ローブロー、腰を深く落とす反則スレスレの動き、時間稼ぎ、逃げ回るだけの試合をやっても許されてる連中がいるのに、判定まで行って時々パンチをもらったくらいで井上を批判する理由なんてない。
井上は正面から向き合い、しっかり手を出し、クリーンに戦い、いつも通り観客を沸かせる試合を見せてくれた。
Inoue has nothing to apologize for. If guys like Haney and Stevenson can do all that dirty boxing, clinching, hitting low, bending below the waist, stalling, running away from the opponent whole fight and get away with it, nobody can criticize Inoue just because going to distance and getting hit once in a while. He stood his ground, let his hands go, kept it clean and gave fans an exciting fight like any other of his fights.


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彼はすでにこのスーパーバンタム級で、1位、2位、4位相当を倒している、今回の5位相当の挑戦者を相手にほぼ流し運転で勝っただけなのに、自分の出来に不満を持っている。 次の試合では中谷潤人を解体するだろう。
He basically sleepwalked through the #5 contender in a division where he's already beaten #1, #2, and #4 and he's upset at his performance. He's going to dismantle Nakatani.

┗ 井上は今でも実質ナンバーワンだと思う。
Inoue arguably no1 still.



TBRBランキング(※Transnational Boxing Rankings Board=利害関係から独立した記者や専門家が実力や実績で順位をつけるランキング組織)の基準から見ると、井上尚弥はこれでトップ10相手に17勝、トップ5相手に12勝ということになる。
Going by TBRB rankings this makes 17 top 10 wins and 12 top 5 wins for Naoya Inoue.



レベル差を考えれば、アランは期待以上の出来だったと思う。 12ラウンドは取ってたかもしれない。 タフな若い選手だよ。 今夜はメキシコ人/ラテン勢がよく頑張った。
Alan over performed given the difference in levels he might have took round 12 tough kid the Mexicans/Latinos did well tonight

┗ うん、自分も12ラウンドはピカソに付けた。そうなったのは、ピカソが本当に狡猾だったのか、あるいは井上がピカソのパワーを全く気にしてなくて最終ラウンドにクリーンな左フックを何度ももらっても構わなかった考えたのか、どっちかだな。
Yup I gave him the 12th too so either Picasso's really tricky in there or Inoue didn't give two craps about his power cuz he was getting clipped repeatedly with clean left hooks in the final round.



井上は少し落ちてきているな。もう30歳超えてるのを忘れがちだけど。
Inoue is slowing down forgot he is over 30 now



メキシコ人は、この井上の戦い方を逃げ回ったとか言うんだろうな。
Mexicans gonna call this running



今の時代、その階級には井上にとって本当の挑戦者はいない。 130ポンド(スーパー・フェザー級)あたりに上げない限り、結果はずっと同じだと思う。
There's no real challenges for Inoue at those weight classes in this era. It's going to be the same result unless he fights at 130ish.



(スーパーライト級の)ピットプル・クルスと戦ってくれ。
fight pitbull cruz

┗ それを言うなら、ピットブル vs (観戦に来ていたヘビー級)ウシク にしろ🤡
Pitbull vs Usyk 🤡



(※Ring Magazine公式) パウンド・フォー・パウンドの偉大な二人 🤝
オレクサンドル・ウシクが、井上尚弥に自分の試合チケットへサインをもらっている ✍️

┗ パウンド・フォー・パウンドのトップ2
top 2 pound for pound in the world

┗ ボクシング界でトップ中のトップの2人。 しかも人としてもボクシング界屈指の好感度の2人。
まさに一流。
Two best fighters in the sport, as well as two of the most likeable fighters in the sport. Class

┗ 二人のサイズ差に驚いた😲 ウシクって小さいと思ってたけど、全然そんなことなかった😄
The size comparison 😲, man I thought USYK was small 😄

┗ この2人とクロフォードだけが特別。
他の選手は、その域に近づくまでに越えなきゃいけない山がいくつもある。
its these 2 and Crawford everyone else has mountains to climb to even approach their greatness



井上尚弥、今年4勝目おめでとう。ピカソは質の高い相手だったけど、エリートの井上とは明らかにレベル差があった。だからといってピカソが弱いってわけじゃない。井上のスキルがそう見せただけ。 勝つとは予想してたけど、ピカソがパワーに耐えられれば競った展開になるかもとは思ってた。ただ、ピカソは踏み込んでこなかったな。内容的には「生き残る」ことに終始してた感じだ。 ともあれ、PFP1位・井上を達成するためにまた一つ素晴らしい勝利が加わった。次は中谷潤人戦が楽しみだ。
Kudos to Inoue for a his 4th win this year. Picasso was a quality opponent but clearly outmatched by the Elite Inoue.. doesn't mean Picasso was a can, Inoue skills made look like that. I predicted Inoue to win, but felt if Picasso could take his power it might've been competitive. Picasso didn't step up... his performance was akin to "surviving". Anyways, another great win for PFP #1 Inoue... look forward to the Nakatani fight



中谷がモンスターに勝てるとは思えない。井上 vs バムが実現すれば本当に面白いカードになると思う。
I don't think that Nakatani can beat The Monster. Inoue versus Bam is a really interesting fight.



井上ならギアを上げてKOできたと思う。ピカソには明らかにパワーがなくて、井上は試合を流して歩いてるような感じだった。正直、退屈して「倒すってこと」を忘れてたんじゃないかと思うくらい。井上の重いパンチが当たるたびに、ピカソは下がってガードを固めるだけだった。この試合はほぼ井上のスパーリングみたいなもの。中谷と対戦しても何の問題もないはずだ。

それと、「バムとやるべきだ」って言う人はいい加減やめてほしい。バムは井上に対しては小さすぎるし、やったらはっきりした差でバムが負けるだけだ。階級があるのには理由がある。あの破壊力を持つ相手に、バムが12ラウンド持ちこたえられるとはとても思えない。
I thought Inoue could have stepped on the gas pedal and knocked him out. Picasso clearly doesn't have power and Inoue was just sleep walking through the fight. I think he got bored and forgot he was suppose to knock him out. Because every thudding punch Inoue landed had Picasso backing up and covering. This was basically a sparring session for Inoue and he will have no problem with Nakatani. I wish people would stop saying he needs to fight Bam. Bam is kinda small for Inoue and he would just lose to him decisively. There are weight classes for a reason, and I can't envision Bam hanging in there for 12 rounds with someone who has thunderous power.



将来の脳外科医になる予定のピカソは、しっかり自分の脳を守る戦い方をしたということだ。
Future neurosurgeon made sure to protect his brain.



モンスターの圧巻のパフォーマンス 😘 ピカソは体格もリーチも上まわっていたけど、実力のレベルが違った 🙄
Tremendous performance of the monster,,, 😘, Picasso; bigger, reaching advantage but not level performance 🙄

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1 Comments
  • 匿名
    匿名 2025年12月28日 15:30

    4ラウンド目に井上は顎に貰ってるの耐えてるのが凄い。
    顎を引いてると言え本当にモンスターだな。

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